【闘う糸の会 ワークショップ開催決定!】
闘う糸の会は2023年1月から東京でワークショップを開催いたします!
ラテンアメリカと日本をつなぐ闘う糸の会は、刺繍という手法を通してジェンダー暴力に抗う手段をみんなで考え、創っていきたいと考えています。
・開催場所や時間帯が異なるので、必ず詳細をご確認の上、お申込みください。 ・持参していただくものは特にありませんが、普段使っている手芸道具やいらない端材などあれば持ってきていただいてもかまいません。 ・ワークショップは3時間です。途中で休憩があります。 ・ワークショップはすべて参加無料です。 お問い合わせ:tatakau.ito@gmail.com
日時・場所などの詳細、申込みはこちらから
世界中で「女性の手仕事」と考えられている手芸。
あるものはアートと呼ばれ、あるものは工芸品、あるものはお土産物として扱われる手芸を通し、声を上げる人たちがいます。
刺繍や手芸が抵抗の表現として用いられた最も大きなパラダイムは第二派フェミニズムが隆盛した1970年代で、それまでの男性主義のアートやアクティビズムに大きな打撃を与えました。しかしそれまでにおいても、刺繍や編み物は女性たちにとって単なる「美的装飾」や「修繕」だけではない意味を持っていました。
刺繍を政治的な手法として取り入れたのは、1903年のイギリス参政権に挑んだサフラジェットだといわれています。彼女たちは投獄された後も刑務所内で旗やハンカチに刺繍をしました。
また、日本でも人気が高い「白糸刺繍」と呼ばれる白いリネンなどの生地に白い糸で刺繍をする手法は、カトリックの布教とともに世界中に広まっていったため、植民地侵略の歴史と重なるルーツを持っています。メキシコでは1800年代にベニート・フアレス政権がカトリック教勢力の権利を剥奪する措置を講じようとした際に、多くの刺繍されたハンカチが国会に届いたといわれています。
1970年代以降チリでは、アウグスト・ピノチェト政権下で弾圧された人たちの妻や家族がその残虐的な行為や経験を黄麻袋に刺繍し、こっそりとそれを国外へ輸出させ、その苦しみを世界中に知らせました。それは「アルピジェラ」として世界中で注目され、当時のチリの状況や国民の苦難の状況を知ることができる貴重な資料となっています。
1977年のアルゼンチンでは、軍事独裁政権下において行方不明になった子どもの母親が、その名と失踪日を刺繍したハンカチを身につける静かな抵抗運動が行われました。「5月広場の母」と呼ばれるこの運動は、その後ドキュメンタリー映画が製作され、アカデミー賞にノミネートされるなど世界中の注目を集めました。
このような抵抗の形はラテンアメリカ諸国で受け継がれており、近年でも多くの活動家やコレクティブがSNSやアクティビズムを通じて、刺繍や手芸を用いて暴力に抵抗するための声を上げています。
最近では、2016年にアーティストのLise Bjorne Linnertがメキシコ最悪のフェミサイドの街、シウダードフアレスの殺害された女性たちを可視化するために、小さなネームタグに被害者の名前と参加者の母国語で「不明」と刺繍するプロジェクト「Desconocida Unknown/Ukjent 」を行いました。
このように、女性たちにとって刺繍や編み物は、暴力に対する抗議の手法でもあり得るのです。アルピジェラが政府の検閲の目を逃れたのも、5月広場の母親たちが声をだすことは禁じられたのに刺繍したものを身につけることが禁じられなかったのも、サフラジェットが刑務所内で刺繍することができたのも、「刺繍」や「女性」は社会を変えるほどの力はないと軽んじて考えられていたからです。女性たちはそれを逆手に使い、世界中に暴力の姿を明らかにし、社会を変えてきました。
私たちは彼女たちの伝承を引き継ぎ、また私達に自分自身のための時間を創るために、ワークショップを開催することにしました。
ワークショップではメンバーの岩間香純の短いレクチャーを聞き、 その後、参加者みんなでジェンダー暴力のテーマについて語り合い、 ラテンアメリカでフェミニズム運動のシンボルとなっている緑のバンダナに刺繍をします。
・開催場所や時間帯が異なるので、必ず詳細をご確認の上、お申込みください。 ・持参していただくものは特にありませんが、普段使っている手芸道具やいらない端材などあれば持ってきていただいてもかまいません。 ・ワークショップは3時間です。途中で休憩があります。 ・ワークショップはすべて参加無料です。 お問い合わせ:tatakau.ito@gmail.com
日時・場所などの詳細、申込みはこちらから
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